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縋りついて泣いて、みっともないと思う。
でも、嬉しかった。
私を見て、私の告白を受けて、それでも私の傍にいてくれると言ってくれた。
信じたいと思った。
新しい世界 08
目を覚ますと、七松の顔が見えた。
あどけない顔をして寝ている七松は、年相応だというのに、酷く大人びて見えた。
愛しい、愛しい。
この存在が愛しく思えた。
七松の頬に手を這わし、柔らかな肌を撫ぜた。
子供特有の柔らかさと温かさに、安堵を覚えた。
死なないだろうか。
この存在は本当に私を残して死なないだろうか。
信じると昨晩思ったばかりなのに、それでも私は心の底からは信じられなかった。
今まで以上に、誰よりも愛しいと思える存在。
彼を失ったら、私はもう生きてはいけない。
「七松、」
ありがとう。
昨日言い忘れた言葉を、心の中で口にした。
未だ眠り続ける七松。
そろそろ起こさなければ朝食に間に合わないと、私は肩をゆすって起こしにかかる。
「七松、朝だ。起きて」
「・・・んぅ」
「七松、起きてよ」
「んー・・・・・・ねむぃ・・」
「朝食の時間だよ、七松」
「・・こへいた」
「へ?」
「伊織が・・・こへいたってよんだらおきる」
まだろれつの回らない声でそう言われても、どうすればいいんだ?
「・・・七松」
「こへーた」
「・・・・・なな」
「こへーた」
「・・・・・・・・・・・小平太、起きて」
「起きる!」
がばっと勢いよく起き上がったなな・・・小平太に驚いて後ろにのけぞった。
こいつ、起きてたな。
にこにこ嬉しそうにしちゃってさ、まったく。
「ほら、早く準備して。一緒に朝食食べよう」
「うん!ちょっと待ってて!!」
「はいはい」
慌てて着替えに走る小平太を見て、心は酷く穏やかだった。
何かつっかえが取れたような、温かいもので満たされたような気持だった。
障子の外へ目を向ける。
いつも見る空が、今日は違って見えたのも、きっと小平太のおかげだろう。
世界が明るく輝いて見えた。
続
とりあえず、ここまでで序章終わり^^
次からは学年ごとに書いていこうかなー。
続きで書くとすっげ時間かかりそう。
一話完結型とかに出来るといいのだけど・・・orz
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